糖尿病運動療法の禁忌
糖尿病の治療や予防の方法として、食事療法とともに運動療法も有効とされています。
運動のやりかたとして一般的にはウォーキングなどがすすめられています。
ウォーキングも「だらだら歩く」のではなく、速歩、それも「人と話をしても苦しさを感じない」程度の上限とした速さのウォーキングです。
厳密に言えば、速さは「100 m/分程度」で、運動中の脈拍が1分間で100(60歳)から125(20歳代)くらいの運動強度になります。
運動の種類としては、他にも自転車や軽いジョギング、ゆったりした水泳などもよいとされています。
運動によってどんな効果があるかですが、まず、運動によってエネルギーが使われるので血糖値が下がります。
また、そういった短期的効果だけでなく、運動習慣によって「肥満」「高脂血症」「中性脂肪」「高血圧」などが良い方向へ向かうことが期待され、さらには、血糖値を押さえる唯一のホルモンであるインスリンの働きを効果的にすることも期待されます。
と、通常は「糖尿病に良い」とされる運動療法ですが、禁忌もあるので注意が必要です。
それは次のようなケースです。
●心不全
●狭心症
●急性心筋梗塞
●腎障害
このあたりは、糖尿病でなくても運動そのものはオススメできません。
●糖尿病性壊疽
●閉塞性動脈硬化
●1型糖尿病でケトーシスがある
これは糖尿病の合併症としてあらわれることの多い症状、それもかなり重症の時にあらわれる症状ですので運動は禁忌とされます。
他に糖尿病関連で運動が禁忌とまでいかなくとも制限、あるいは管理が必要とされる状態は以下。
●糖尿病網膜症
●糖尿病腎症
●糖尿病神経障害
他にも代謝コントロールの状況や感染症など、いろいろ考慮するべき問題があるので、本格的に運動療法を行う時には、かかりつけの医師にアドバイスをもらいましょう。
《2013.9.15 》